イベリコ豚専門店イベリコ屋です。
イベリコ豚はもちろん、
生ハムの情報や、スペインの歴史、旅に関する【お役に立てる情報】を配信していきます。
日本国内のバルやワイン需要増加、さらには1996年のイタリア、
1999年のスペインと続いた生ハム輸入解禁に伴い日本の生ハム需要は右肩上がりに増加をみせています。
ヨーロッパ諸国からの生ハム輸入も活発化し、一昔前と比較して多種多様な生ハムが気軽に手に入るようになりました。
中でもドングリを食べて育った豚、すなわちイベリコ豚を原料とした生ハム「ハモン・イベリコ」は知名度も高く、
その名を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなイベリコ豚が住んでいる環境についてご紹介したいと思います。
■イベリコ豚の生息地
イベリコ豚は、ポルトガルに隣接するスペイン西部の小高い山地一帯のみに生息するイベリア種と呼ばれる豚のことです。
その起源については色々と諸説がありますが、当時イベリア半島に住んでいた
ケルト・イベリア人がイベリコ豚の祖先にあたるイノシシを放牧したことが始まりであると言われています。
それはなんと、紀元前3000年頃にさかのぼるのだそうです。
そんなイベリコ豚が育つ環境は、乾燥が激しい海抜700m以上かつ年間降水量が500mm以下という過酷な環境。
ここには、世界で唯一の古代地中海沿岸の生態系が残る「デエサ」と呼ばれる森林地帯があります。
デエサには、樹齢100年を超えるセイヨウヒイラギ樫やコルク樫が繁り、緑に覆われた広大な大地が広がります。
ドングリはもちろん、自然に生い茂るアスパラやキノコ、
牧草や切り株などの自然餌を食べて育ったイベリコ豚は、高い栄養素や豊富なミネラル、
抗酸化物質を保有することとなります。
中でもオレイン酸の含有量が非常に高く、研究者も注目するほど。
イベリコ豚が育つには、このデエサが欠かせません。
イベリコ豚は、モンタネーラと呼ばれる放牧期間中、このデエサで餌を求め歩き回り
通常10月から3月までの期間、ゆっくりと体重を増やします。
デエサでの放牧期間中、イベリコ豚は常に餌と水を探すため運動を強いられます。
そのため、足の筋肉が一般的な養殖豚と比較して非常に発達します。
このしなやかな筋肉には、ほどよく脂が浸透し、他の豚とは比較にならないほど
ジューシーで香り高い肉質を持つこととなります。
長きにわたり、スペイン政府によってイベリコ豚のブランド保護、ランクの定義が厳重に行われてきました。
その結果イベリコ豚は、家畜として改良されることなく、原種に近い生態を保ち続けています。
■環境破壊が進むイベリコ豚の生息地
イベリコ豚が育つために欠かすことができないデエサですが、近年環境破壊が問題となっています。
その原因はいくつかありますが、主な原因は下記の3つ。
1環境問題
地球温暖化によるコルク樫の病気や森林火災などによって、コルク樫そのものの本数が減少。
生態系バランスが崩れ、自然サイクルの機能が低下しつつあります。
2イベリコ豚飼育の生産効率の低さ
イベリコ豚の飼育には1年半から2年の歳月が必要になります。
食用の白豚と比較して成長速度が遅いイベリコ豚は、生産効率が悪いという理由から
飼育・放牧を止め、土地を畑に作り変えてしまう現地の方もいらっしゃいます。
3住宅開発
デエサ地域の住宅開発もデエサの破壊が進む要因の1つです。
このような、問題を抱えているデエサは遠からず近い将来消滅してしまう可能性があります。
■イベリコ屋の取り組み
先述の通り、イベリコ豚の育成にはスペイン西部に広がるデエサが不可欠です。
イベリコ屋では、イベリコ豚が育つ豊かな森林を回復するため、植樹活用を行っています。
毎年順調に植樹活動を重ね、現在では5,000本を超える植樹を達成することができました。
知れば知るほど奥が深いイベリコ豚。
イベリコ豚の生息地が消失すれば、もちろんイベリコ豚もこの地球上からいなくなってしまうでしょう。
イベリコ屋では、皆さまからの売上の一部をこの植樹活動に活用しております。
商品を購入するだけで、環境保全に貢献できるシステム・取り組みを作り、イベリコ豚やその生息地に還元しています。
贈り物や、自分へのご褒美にぜひ
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