イベリコ豚専門店イベリコ屋です。
イベリコ豚はもちろん、 生ハムの情報や、スペインの歴史、旅に関する【お役に立てる情報】を配信していきます。
スペイン生ハムのハモン・セラーノやハモン・イベリコ、イタリアのプロシュットはその地域の特性に合わせた伝統的製法で作られています。 同じ生ハムでもその地域に根付いた作り方により仕上がりの味や品質が大きく異なります。
今回は、スペイン生ハムが製品として流通するまでの製造過程をお伝えします。
■スペイン生ハムの製造工程
スペイン生ハムの製造工程を全6工程に区切って説明します。
�＼扱� 皮をはいだ新鮮な豚モモ肉から骨を外し、余分な脂を取り除きながら整形をします。
��塩蔵 血管に沿って原木の筋肉を押し、残っている血液を可能な限り押し出します。 その後、粗塩を全体にまぶし積み上げて塩漬けを行います。通常1キロに対し1日の割合で塩蔵が行われます。 この時の塩の量は気候や原料となる豚肉によって職人の微妙な匙加減で調整が行われます。 さらに原料の重さ・状態により、塩漬け期間が調整されます。
��洗浄 塩分が中心部まで浸透したころ合いをみて冷水で洗浄します。その後丸2日間水切りを行います。
�け�分の安定 摂氏2〜6℃かつ湿度80〜90％の環境下で40〜60日ほど生ハムを吊るします。乳酸菌や球状菌といった好塩菌を活性化させ、腐敗菌の増殖を防ぎます。 この工程では、肉の筋組織が塩を吸収し、タンパク質線維をほぐし肉を柔らかくします。
�ゴチ� 1月〜2月頃から夏の終わりまで乾燥場で乾燥します。
��成熟 乾燥を終えた生ハムは、いよいよ成熟期間に入ります。加工工場の一番下にある熟成庫内で冬期摂氏10〜14℃、夏期摂氏16〜20℃の環境下で成熟が行われます。 工場や地域によって急激な乾燥を防ぐ為に低温・高湿な部屋で熟成を行う低温熟成と常温、通年の一定送風で熟成を進める自然熟成の2種類の熟成方法があります。
こうして仕込みから短くて約14か月以上〜約2年を経た生ハムがようやく製品として市場に流通します。 中には4年間もの間熟成させる生ハムもあり、その手間暇や製造期間はそのまま生ハムの美味しさに比例すると言われています。
本場スペインでは数多くの生ハム製造工場がありますが、それぞれの工場で原料となる豚の仕入れから塩漬けに使う塩の種類、乾燥や成熟の方法期間に至るまで独自の方法が確立されています。
長い期間と数々の工程を経て生産されるスペイン生ハムは、職人の技術や知識、経験、その全てがつぎ込まれた芸術品と言えるのではないでしょうか。 生産者の情熱が直接品質に影響を与えるのも伝統的製法に則って製造されるスペイン生ハムならではかもしれませんね。
■製造工程と味わいの関係
スペイン生ハムの製造工程は、先ほどご紹介した通り皮の一部をはいでから塩漬けするのが一般的です。 一方で、イタリア生ハムのプロシュットは、皮を残したまま塩漬けをします。 皮をはいでから塩漬けをするか皮を残したまま塩漬けをするかの違いにより、両国の生ハムは味わいやコク、肉質などの仕上がりに大きな違いが生まれます。
味の違いはその土地の地形や風土、原料となる豚や生産者など多種多様な要因が考えられます。 そしてその要因の1つに製造工程が含まれていることも重要なポイントとして生ハムを味わってみるのも良いかもしれません。
同じ地域の同じ原料の豚を使用しても製造工程が少しでも異なれば味が全く違います。 味わいの違いは、生ハムを食べる時の楽しみの1つになりそうですね。
生ハムを食す際は、ぜひ原産地や原料はもちろん製造工程に至るまでこだわってみてください。 思いもよらぬ発見や自分の味覚にピッタリの生ハムと巡り合えるかもしれません。
贈り物や、自分へのご褒美にぜひ
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