イベリコ豚専門店イベリコ屋です。
イベリコ豚はもちろん、 生ハムの情報や、スペインの歴史、旅に関する【お役に立てる情報】を配信していきます。
お酒の場はもちろん、朝食やちょっとした軽食にもピッタリな生ハム。 ワインなどのアルコールのお供には、生ハムが欠かせないという方も多いのではないでしょうか。 日本でもスペインやイタリアなどのヨーロッパ諸国からの輸入が解禁となり、生ハムの需要が一気に高まりました。 その市場拡大の勢いは衰えることを知らず、年々右肩上がりにさらにその領域を広げています。
今ではスペイン・イタリアなど本場の生ハムに限らず、 日本の精肉メーカーや加工食品メーカーなどもこぞって自社の生ハム開発・販売に力を入れるようになりました。
百貨店はもちろん、スーパーやコンビニでも多くの種類の生ハムを見かけるようになりましたね。 しかし、中には生ハムの種類が多すぎて、生ハム選びに困ってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、美味しい生ハムの選び方をご紹介します。
■地域による生ハムの違い
生ハムとは、一言でいうと製造の過程で一度も加熱していないハムのことを指します。日本で一般的なロースハムやボンレスハムは、製造中に加熱されるため、”生ハムとは違うもの”ということが分かりますね。
生ハムの中でも製造の過程において、塩漬けして乾燥・熟成するものと、冷燻(20℃以下の低温で燻製)するものの2種に大別されます。燻製されたものは、燻製の風味をまとう他、原料となる豚の種類やランク、肉の部位、熟成期間でも味や香りが変化します。 また同じ原料、製造工程、成熟期間を経て作られた生ハムでも、製造地域の気候によっても塩気や味わいに微妙な変化が生じます。
美味しい生ハムを選びたい場合は、まずご自身の好みの生ハムをみつけるところから始めてみてください。 国⇒エリア⇒豚のランクと絞っていくと、好みの生ハムに出会えるかもしれません。
■生ハムの旨味成分
□生ハムに含有されるアミノ酸 生ハムの美味しさの秘密は、なんと言ってもその旨味成分と呼ばれるアミノ酸の含有量。
ダシ取りによく使用されるかつお節や煮干しの主な旨味味成分はイノシン酸。 しかし生ハムの旨味成分は、かつお節や煮干しの旨味成分であるイノシン酸ではなく、実はグルタミン酸と言われるアミノ酸の一種です。 生ハムにも製造の最初の段階では多くのイノシン酸を含有していますが、加工の過程でその数値は減少します。 代わりに1〜2年という長期の熟成期間を経ることでグルタミン酸が増加させます。さらに乾燥によって旨味成分は濃縮されます。 結果として、イノシン酸の減少を補ってあまりあるほどのうま味の強い食材になるのです。
原料となる豚に合わせた熟成期間を経た生ハムは、香り高い風味と味わいを有することになります。 そのため、本物の生ハムを召し上がりたい時は、規定の熟成期間を経ているものを選ぶようにしましょう。 中には生ハムと謳っていても熟成工程を取り入れずに製造されているものもあります。
□生ハムの結晶 本物の生ハムの表面には、旨味成分の結晶ができるということをご存知でしょうか。 その結晶の正体は、タンパク質の分解によって生じるアミノ酸の一種「チロシン」。 スペイン語で「Pintas Blancas(ピンタス・ブランカス)」と呼ばれ、塩の結晶のような白い斑点が生ハムの表面に現れます。
現地の生ハム製造者の間でも、この白い結晶こそ、良質な生ハムの証と言われています。 原料となる豚や、製造工程、風土や気候などの条件が一致した時に現れるこの美味しさの証は、おいしい生ハムを見極める1つの手がかりになります。
いかがでしたでしょうか。 前半は好みからのおいしい生ハムの見極め方、後半は旨味成分に軸を置いておいしい生ハムの見極め方をご紹介しました。 一口に生ハムと言ってもその奥深さは計り知れないところがあります。 ぜひ様々な角度から生ハムの美味しさを楽しんでみてください。
贈り物や、自分へのご褒美にぜひ
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