イベリコ豚専門店イベリコ屋です。
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生ハムは原料となる豚の屠畜から市場に出るまで、約1〜2年の歳月をかけて作られます。 不思議なことに火を一度も通していない生の豚肉にも関わらず、一定期間常温での保存が可能です。 なぜ生ハムは腐らないのでしょうか。
今回は、その秘密を紐解いてみたいと思います。
■生ハムは長期保存食
しばらく寝かせてうまみを増した熟成肉がブームの真っ只中。生ハムも例にもれず熟成肉の1つ。 スペインやイタリアなどのヨーロッパでは、今よりはるか昔の紀元前の時代から保存食として生ハムのような熟成肉が作られていました。 食料の供給が不安定な上、冷蔵庫のない時代。 当時の人々は、貴重な食料を腐らせず保存できないかと考え、塩漬けや乾燥を行うことで長期保存が可能な生ハムのを作り出すことにに成功しました。
■なぜ生ハムは腐らないのか？
では、今回の本題である、「なぜ生ハムは腐らないのか？」という問いについて解説します。 上記の解をお伝えする前にまずは、食べ物がなぜ腐るのか？を簡単にご説明します。
□食べ物が腐る理由 食べ物が腐る理由は、”カビなどの微生物が増えるから”なのです。 さらに深堀り、なぜカビなどの微生物が増えるのでしょうか。
食べ物には自由水と結合水と呼ばれる水分があります。 カビなどの微生物は、自由水と呼ばれる水を利用してその数を増やします。 反対に結合水は、既にその食品の成分と結合している水のこと。 微生物は、この結合水を利用することができません。また食品と結合しているため、蒸発することもありません。
微生物が増殖のために使える水分である自由水が食品中にどれだけ含まれているのかを表す言葉を”水分活性”と言います。 この数値を下げることで、食べ物の腐敗進行を防ぐことができます。 非加熱食肉製品（生ハム）認証基準では、水分活性の数値が０．９５未満にと定められています。
□生ハムの水分活性の数値が低い理由 ではなぜ生ハムの水分活性数値がこれほどまでぶ低い数値になるよう製造することができるのでしょうか。 その理由は生ハムの製造工程にあります。
�￣�漬け 水分活性の数値を下げる、つまり微生物が活用できる水分である自由水の割合を減らすには、塩漬けの工程が欠かせません。 塩漬けをすることで塩分と食品中の水分が結合し、自由水の割合が減ります。そして反対に結合水（塩と結合した水）の割合が増えます。 塩分だけではなく、砂糖にも同様の役割があります。砂糖を活用した保存食の代表にジャムがあげられます。
��乾燥 豚肉を乾燥させることで、豚肉が有する水分を減らし、結果として自由水の割合を少なくすることができます。
このように、製造工程の中で原料となる豚肉が保有している自由水の割合を極限まで減らすことにより、豚肉の長期保存が叶うようになりました。
■家庭で生ハムを保存する方法
では最後にご家庭で生ハムを保存する方法をお伝えします。 下記は原木生ハムの保存時の注意点ですが、既に切り落とした生ハムも同様です。
- 日の当たる場所を避ける
- 締め切った場所に保管しない
- クーラーの当たる場所を避ける
- 濡れた状態で保管しない
ホコリや乾燥を防ぐため、ラップを巻く方がいますが、空気の流れが遮断され、カビが発生してしまうことがあります。 生ハムの原木のカット部分には必ず、脂身の油を塗り乾燥を防ぐようにしてください。 切り口には脂身や皮をかぶせ、さらに清潔な布で覆い保管しておくようにしましょう。 また一度口を付けた生ハムはその日のうちに食べきるようにしてくださいね。
贈り物や、自分へのご褒美にぜひ
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