イベリコ豚専門店イベリコ屋です。
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世界有数の生ハム大国、イタリア。
イタリアの生ハムはどのような地域で製造されるのでしょうか。
今回は原産地名称保護(D.O.P.)に登録されており、かつ世界的に有名な2つのイタリア生ハムの産地を紹介します。
■D.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)
原産地名称保護制度D.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)とは、
EU法が規定する、食料品の原産地名認定・保護するための制度です。
イタリアで製造される生ハムもいくつかD.O.P.に登録されており
、特定地域の原産品を規定された製法により生産・加工された製品であることを示しています。
■プロシュット・ディ・パルマの産地
プロシュット・ディ・パルマは別名「パルマハム」と呼ばれ、イタリアのパルマ近郊で作られている生ハムです。
プロシュット・ディ・パルマは、イタリアの法律で定められたごく限られた厳格な産地指定の元で製造されています。
つまりパルマ近郊で製造されたものであれば、プロシュット・ディ・パルマを名乗れるというわけではありません。
製造が指定されている地域は、下記3つの条件を満たす場所だけに限定されています。
- エミリア街道から5km以上南に離れた場所
- 海抜900m以下
- エンザ川(東端)及びスティロネ川(西端)に挟まれた地域
□ランギラーノ
先ほど紹介したパルマの中でもごく限定された地域。
さらにその生産指定地域の中でもプロシュット・ディ・パルマの製造聖地と言われている地域がランギラーノです。
ランギラーノは、国鉄パルマ駅からう約40分ほど南に車を走らせたところに位置する小さな村。
周囲を山に囲まれた自然豊かなこの地域には、約4,000人ほどの人が住んでいます。
とても小さな町ですが、この町にはなんと大小合わせて200ほどの高級パルマハムを製造する工場が立ち並びます。
この地が生ハム作りに向いている理由は、アペニン山脈から吹き抜ける風が大きく影響していると言われています。多くの工場がこの風をうまく取り入れ引き締まった肉質を持つ生ハムを製造します。
■プロシュット・ディ・サン・ダニエーレの産地
プロシュット・ディ・サン・ダニエーレは、パルマに並ぶイタリアの生ハムです。
しかし生産量は決して多くなく、日本においてその知名度は決して高いとは言えません。
一方でその味に魅せらた世界各国の美食家からは高い評価を得ています。
それぞれの値段においても、プロシュット・ディ・パルマよりプロシュット・ディ・サン・ダニエーレの方が
高く設定されることが多く、別格として扱われることもあるようです。
そしてプロシュット・ディ・サン・ダニエーレは、イタリア北東部に位置するサンダニエーレ地方で製造されます。
この地の最大の特徴は、アルプスの山々の雪に覆われた頂上から吹き降りる冷たく乾いた空気と、
アドリア海から吹く柔らかく湿った風が吹き込む点。
特徴の違う2つの風が出会い、ぶつかり合って渦を巻き、マイクロクライメイトが生まれます。
このような風土・地形で製造することにより、プロシュット・ディ・サン・ダニエーレの繊細な風味が引き出されます。
イタリアの生ハムは、D.O.P.の厳しい基準のもと食料品の原産地が限定された地域で製造されています。
地域に着目してみると、その地域特有の気候や地域が生ハムの格別な美味しさを作り出していることが分かります。
生ハムを召し上がる際は、その地域の製造背景を調べてみると新しい発見があるかもしれません。
贈り物や、自分へのご褒美にぜひ
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