イベリコ豚専門店イベリコ屋です。
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生ハムは、塩漬けや乾燥の工程を経ているため、腐敗が進まないと前回の記事でお伝えをしました。 腐敗が進まないとはいえ、常温で保存することに抵抗がある方も多いのではないでしょうか。
今回は、生ハムの常温保存についてお伝えします。
■生ハムの原木は常温保存できるのか?
本場の生ハムの本拠点であるヨーロッパとは異なり、日本の気候は高温多湿。 そんな日本の気候でも生ハムの原木は保存・保管ができるのでしょうか。
結論から申し上げますと、答えは「できます!」です。
適切な保存・管理を心がけることで常温でも生ハム原木を食べきるまで保存・保管することができます。
そもそもなぜ生ハムが常温でも腐らないかは、以前ご紹介したブログをご参照ください。 簡単に以前の内容をお伝えすると、 生ハムの原木自体は腐らないように塩漬け、乾燥、熟成の工程を経て作られています。 この工程を経ることで、カビなどの微生物が増える原因となる食品中の自由水の割合を極限まで減らすことができます。 自由水がほぼない状態の生ハムは、カビなどの微生物が繁殖しにくく、常温でも長期保存が可能な食品になるのです。
■原木の保存方法
原木は常温で保管するのが通常。 日本のように夏場が40℃を超えるような場合は、冷蔵庫に入れるのも選択肢の一つですが、 急激な温度変化は生ハムを傷めてしまう原因になってしまうため、よほどの事がない限りおすすめはできません。
□理想の保存環境 生ハムの原木を保存する際に理想となる保存環境は20℃前後の暗所。 温度・湿度が高い場所はもちろん、直射日光が当たる場所も避けるようにしましょう。 またクーラーや暖房の風が当たる場所もおすすめできません。
なるべく風通しが良く、温度・湿度の変化が少ない場所が理想です。
□切り口のケア 湿度・室温の次に注意したいのが、切り口からの乾燥。 乾燥が進むと、生ハム本来の口溶けやジューシーさが失われてしまいます。 そのため、カットした部分は、オリーブオイルなどを塗りカットの際に出た余分な脂の塊を被せておきましょう。 その上からホコリ除けとして清潔なフキンを被せておくと安心です。 サランラップで覆うと空気がこもってしまい、カビの増殖原因になってしまうこともあります。 常に風通しのよい環境下を心がけましょう。
□カビの除去 時間が経つと原木に白カビが発生する場合があります。 カビが発生すると、品質に不安を覚えてしまいますが、白カビは熟成を促す役目もあり生ハムにとっては欠かせないもの。
白カビが気になる方は、香りを感じない種類のオリーブオイルなどをしみこませたキッチンペーパーで拭き取ると良いでしょう。 拭き取りの際にアルコールを使用してしまうと、生ハムの熟成や品質保持に必要な酵母菌を殺してしまうことになるため、注意してくださいね。
■スライス生ハムの保存方法
スライス生ハムは原木と比較し、乾燥に注意が必要です。 基本的には、スライスし、切り取った生ハムは食べきるようにしましょう。 しかし場合によっては、食べきれないこともあるかもしれません。
そのような場合はラップにくるみ冷蔵保管しましょう。 さらにジップロックに入れて保管することにより、空気に触れる機会を減らすことができます。
一度空気に触れた生ハムは、味の質がすぐに低下します。 そのためなるべく早く食べきるようにしてくださいね。
生ハムの保存方法を知っておくことで、上質な生ハム本来の味をより長く楽しむことができます。 安全に、そして本来の味を楽しむためにも、保存に関する知識を得ておくと安心です。
贈り物や、自分へのご褒美にぜひ
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