イベリコ豚専門店イベリコ屋です。
イベリコ豚はもちろん、生ハムの情報や、スペインの歴史、旅に関する【お役に立てる情報】を配信していきます。
■イベリコ豚ってどんな豚?
イベリコ豚は、食用に飼育される豚の種類の1つ。 「イベリコ豚=どんぐりを食べて育った豚」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 実は出荷されている全てのイベリコ豚がどんぐりを食べて育ったわけではありません。放牧の有無と何を食べて育ったのかなど、細かな基準に応じてランクが分けられます。 一般的なイメージとして浸透している、どんぐりを食べているイベリコ豚は、「ベジョータ」と呼ばれランクの最上位に位置します。ランクの全体の中でも10パーセントほどと言われており、独特の味と風味は、多くの美食家をとりこにしています。
イベリコ豚は、スペインの公的機関であるイベリコ養豚協会に登録され、飼育や繁殖方法など出荷に至るまで厳密に管理されています 。品種としては、イベリア種100%純血、もしくはイベリア種とデュロック種を交配させた豚のうち、スペイン政府が認証したものをイベリコ豚と呼ぶことができます。 しかし中にはイベリコ豚と称していながらも血統上イベリコ豚ではないものも出回っているため、購入時には注意が必要です。
◇イベリコ豚の歴史 イベリコ豚も他の豚と同様、イノシシから現代の姿になったと言われています。ヨーロッパ系だけではなく、地中海系・アジア系を含めた3つの種が掛け合わされたイノシシであることがわかっているようです 。 イベリコ豚の起源は紀元前3000年頃にさかのぼります。諸説はありますが、当時イベリア半島に住んでいたケルト・イベリア人によってイベリコ豚の祖先を放牧したことが始まりであるといわれています。
◇イベリコ豚の特長 黒い脚と爪を持つ傾向があり、「黒い脚(pata negra)」と言われています。 ※全てのイベリコ豚が黒い脚と爪を持つわけではありません。 放牧され自由に育ったイベリコ豚は、他の豚と比べ運動量が圧倒的に多くなります。その運動量はイベリコ豚の外観にも表れ、他の豚と比べて脚が細く、長くなるといわれています。 またどんぐりを食べて育ったイベリコ豚の味は、その香りの高さに驚く人も多いとか。口に入れる前のスライスしたての香りはもちろん、口の中に入れると独特な草木の風味が口いっぱいに広がります。中には肉の旨みと相まって奥深い味わいになる、という人もいます。
イベリコ豚は、比較的夏の気温が高い地域で飼育されています。 主な産地はイベリア半島の中部から南部にかけてと、スペイン西部からポルトガル東部です。 特に中部から南部にかけてはイベリコ豚の生ハム4大生産地が集まっており、生ハム好きな人や美食家には名の通った地域でもあります。
それでは、主なイベリコ豚の飼育地域をご紹介します。
◇エストレマドゥーラ州 エストレマドゥーラ州は、スペインを構成する自治州です。 モンフラグエ国立公園、ヘルテ渓谷、牧草地が広がる自然豊かな地域です。また古くからローマ帝国の歴史が街に残り、考古遺跡群としてユネスコの世界遺産に認証・登録されていることでも知られています。 自然溢れるこの地域で育ったイベリコ豚は、エストレマドゥーラのハモン・デ・ラ・デエサ(牧草地の生ハム)と呼ばれています。
◇アンダルシア州 アンダルシア州と聞いてもピンとこない方も多いかもしれませんが、同州のウェルバ県南西部に位置しているハブーゴ村は、上質なイベリコ豚の産地として有名です。 “ハブーゴ村”と聞いてピンときた方も多いのではないでしょうか。実は最初のイベリコ豚を使用した生ハム生産会社ができた地でもあります。 冬の冷たい北風と夏の穏やかな気候を受け育ったイベリコ豚は、独特の風味を備えた生ハムとして定評を得ています。
ご紹介したような自然豊かな土地でイベリコ豚はのびのびと育ちます。広大な牧草地で放牧されたイベリコ豚は、他の養豚に比べ圧倒的な運動量を得ることとなります。結果として、牛肉のような濃い赤色ときめ細かなサシが入った独特の肉質が創り上げられます。
同じイベリコ豚の生ハムでも飼育された地域によって味や風味が異なります。噛むほどに甘味が増すものもあれば、香りが高いものもあります。 そのためイベリコ豚の飼育地域で食べ比べをしてみることもオススメします。 その地域の地形や風土から反映された美味しさが比較ができ、生ハム選びの新しい楽しさを見つけることができるかもしれません。
贈り物や、自分へのご褒美にぜひ |